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ガソリン「暫定税率」廃止で減税へ!50年続いた制度がなくなった理由と生活・経営へ…
税務ニュース

ガソリン「暫定税率」廃止で減税へ!50年続いた制度がなくなった理由と生活・経営への影響を解説

掲載日 : 2026.02.25 / 最終更新日 : 2026.02.18

「これだけ庶民が物価高で苦しんでいるのに…いつまで続くのか」「暫定(=一時的)なんて嘘じゃないか」と長年議論されてきたガソリン税の「暫定税率」。2025年12月31日をもって、廃止されました。

今回の決定は、リッターあたり約25.1円という大幅な「減税」を意味し、物価高に苦しむ家計や、営業車などの燃料コストがかさむ事業者にとっては待望のニュースです。

なぜガソリンの暫定税率が長年続いてきたのか。そして、なぜ今になって廃止になったのか。一般消費者や事業者への影響も含めて解説していきます。

そもそも「ガソリン暫定税率」とは何か?50年の歴史を振り返る

今回、廃止された「暫定税率」。そもそもなぜこのようなものが存在していたのでしょうか。歴史を振り返ってみましょう。

1974年導入当初は「道路を作るため」の一時的な税率

暫定税率が導入されたのは、1974年でした。当時の田中角栄内閣で導入された第7次道路整備5か年計画(1973~1977年)により、全国的に道路整備が急務とされました。しかし当時は財源不足。第1次オイルショックの直後ということもあり、財政悪化は深刻だったのです。

そこで、すでにあった揮発油税(ガソリン税)と軽油引取税の本則税率に上乗せする形で暫定税率が導入されました。なお「暫定」とは「一時的」という意味。文字通り、当初は2年間の臨時措置として導入されたのです。

高度成長期が終わっても「一時的な」税率は続いた

しかし実際には「一時的」では終わらず、繰り返し延長されました。その後、2008年のガソリン国会で一時的に失効したものの、1か月で復活。2009年には道路特定財源から一般財源に移行し用途が柔軟化されましたが、課税水準が変わることはありませんでした。

さらに2010年「全国平均のガソリン価格が3か月連続で160円/ℓを超えたら上乗せ部分の課税を停止する」というトリガー条項が導入されました。しかし導入後わずか1年で凍結。コロナ禍明けによる原油価格の上昇があっても解除されることはなく、代わりにガソリン補助金が事業者に支給されました。

なお、2025年11月時点におけるガソリンと軽油に課される税金は次の通りです。揮発油税の暫定税率は25.1円/ℓ、軽油引取税の暫定税率は17.1円/ℓでした。

暫定税率がついに廃止!背景とは?廃止されるのはいつ?

長年「暫定」という名の元に続いてきた揮発油税と軽油引取税の上乗せ課税。これがついに幕を閉じることとなりました。

廃止に至った背景は「円安・物価高」そして超党派による交渉

「補助金なんかより減税の方が効果的だ」___野党側はかねてより政府の補助金政策にくりかえし異を唱えてきました。しかし与党は税収減への懸念や現場の事務負担の増加を理由に、頑として受け入れなかったのです。

けれども円安と燃料費を含めた物価高が目下、国民生活をひっ迫させていることもまた事実として存在します。そこで野党が超党派で2025年6月に旧暫定税率廃止法案を国会に提出。紆余曲折ありましたが、最終的に2025年11月、与党と複数の野党が暫定税率廃止に合意しました。

これにより、2025年12月31日をもって、揮発油税の暫定税率は廃止となりました。なお、軽油引取税の暫定税率は2026年4月1日に廃止されることとなっています。

暫定税率廃止の代わりに他の課税を強化

ただし、無条件で暫定税率が廃止となったわけではありません。日本の財政は現在、国債を発行しなければ歳出を賄うことができない状態となっています。そして国債は借金です。この累積債務は年々詰みあがっています。

赤字財政で減税を行うならば、どこかで税収を確保しなくてはなりません。そこで次のような内容が2026年度(令和8年度)税制改正に盛り込まれました。

・・・(中略)・・・

つまりガソリンの暫定税率の廃止は、何もなしで行われたわけではないのです。税制全体の見直しとバランスの中で他の課税強化を交換条件に実現しました。

廃止でどう変わる?国民生活・企業活動への影響と今後の注意点

今回の減税は、国民生活や企業活動にはどのような影響を与えるのでしょうか。今後の注意点もあわせてまとめました。

家計と企業への恩恵

一般的な家庭にとっては恩恵となるはずです。平日・休日利用で月間40L給油と仮定した場合、リッター約25円の値下げで月間約1,000円、年間で約12,000円の節約になります。

また、企業にとっては、より恩恵が大きいと言えるでしょう。月間500ℓのガソリンを使用する事業所ならば、単純計算で月1万2500円、年間で15万円もの経費削減となります。車で営業活動を行う企業にとっては、利益率と資金繰りの改善につながると思われます。

廃止されて早2か月になろうとしていますが、あちこちのガソリンスタンドではこの減税を受けて価格が抑えられているケースが見受けられます。消費者や企業においても「ガソリンが安くなった!」と感じているのではないでしょうか。

注意:軽油(ディーゼル)の暫定税率廃止は4月1日から

ただし、注意点があります。昨年末に廃止されたのは「ガソリン(揮発油税)」の暫定税率です。トラックや重機に使われる「軽油(軽油引取税)」の暫定税率廃止は、2026年4月1日からとなります。なお、軽油の暫定税率分17.1円/ℓです。

運送業や建設業であれば、普通車と大型車を併用しているかと思われます。予算を組む場合、4月からのコスト減を加味した上で検討することをおすすめします。

ABOUT執筆者紹介

税理士 鈴木まゆ子

税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒。ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、マネーの達人、朝日新聞『相続会議』、KaikeiZine、納税通信などで税務・会計の記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)。