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おんすけと学ぶ税務情報
大人になるために避けてとおれない、けれど難しいお金や税金のこと。本コラムでは、経営者や経理担当者のみなさんが子どもとお話をするきっかけになるように、身近な事例を取り上げて解説します。 第2回では、直近の税制改正の内容も踏まえて、ライフイベントと税金の関係について考えてみましょう。人生は選択の連続といいますが、所得税という税金が個人を対象にしている以上、ライフイベントと税金は切っても切り離せない関係にあるのです。 個人を対象にした税金:所得税 所得税は,個人が暦年(1年間)に得た所得を10種類に区分して税金を課すしくみとなっています。所得を区分する理由は、所得の性質によって「税を担う力(担税力といいます)」が異なるためです。たとえば、資産から生じた所得は担税力が高く、勤労から生じた所得は担税力が低いと考えられています。 (参考)クリエイターと税金[第1回]:人も税も中身が肝心?クリエイターが独立前に稼ぐ「お金の性質の違い」について解説 所得税は個人に対して課されますが、家族の構成や本人の状況などは個人によりさまざま...
IT・ガジェット情報
2022年、テクノロジー界の巨人であり、スペースX、テスラのCEOとして知られるイーロン・マスク氏がTwitterを買収しました。この買収は、多くの人々にとって驚きであり、SNS業界においても大きな話題となりました。彼は買収後の2023年7月24日、Twitterの名称を「X」に変更。これによりさらに多くの変化が生じています。 この名称変更は単なる表面的なものではありません。それはTwitterというブランドが持っていたアイデンティティ、文化を捨て去ることで、そこにいるユーザーにも大きな影響をもたらしました。新しい名前「X」は、イーロン・マスク氏が目指す未来に対する新しいビジョンを象徴しています。このビジョンには、マネタイズ戦略の変更、ユーザーエクスペリエンスの向上、そしてプラットフォーム全体の機能拡張が含まれています。 この買収とリブランディングによって、Twitterはただのソーシャルメディアから、より大きな野望を持つ「X」という新たな存在へと生まれ変わろうとしています。この変化が、今後数年でどのように展開していくのか、多くの人々が注目しています。 ...
税務ニュース
2023年10月からスタートする消費税インボイス制度への移行が迫る中、電子インボイス(デジタルインボイス)への関心が高まっています。 本コラムでは、事業者のバックオフィス業務の効率化や生産性の向上を図る観点から普及が進められている電子インボイスのしくみや今後の課題について、やさしく解説します。 電子インボイス導入のきっかけ 電子インボイス導入のきっかけはコロナ禍といわれています。 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、リモートワーク環境での請求業務への対応が課題になりました。これを契機にデジタル化(Digitalization)の必要性が認識され、官民連携のもと電子インボイス導入に向けての取組みがはじまりました。 2020年7月、会計・業務システムベンダーなどの民間が中心となり電子インボイス推進協議会(EIPA:E-Invoice Promotion Association、現「デジタルインボイス推進協議会」)が設立されました。2021年9月のデジタル庁の発足を経て、標準化された電子インボイスの普及を図るフェーズに至っています。現在は...
税務ニュース
インボイス制度がスタートすると、バスや電車などの交通機関を利用した場合でも、その都度インボイスの交付を受ける必要があるのでしょうか?また、会社が従業員に対して通勤手当や日当などを支給した場合、従業員はインボイス事業者ではないため、会社はインボイスの交付を受けることはできません。このような場合にはどうしたらよいのでしょうか? 本コラムでは、通勤手当・日当などの交通費にまつわるインボイス制度の特例について、やさしく解説します。 消費税の計算の仕組みのキホン まず、消費税の計算の仕組みについて、簡単におさらいしましょう。 消費税の仕入税額控除 消費税の納税義務がある課税事業者の場合、消費税の納税額は、売上に含まれる預かった消費税から、仕入や経費に含まれる支払った消費税を差し引いて計算します。この仕組みを「仕入税額控除」といいます。 仕入税額控除が認められる要件 この「仕入税額控除」が認められるためには、法律で定められたルールがあります。消費税法では、帳簿および請求書(インボイス)の両方の保存が要件とされています。つまり、インボイスを受領する側は、イン...
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2026.01.19 税務ニュース
昨年12月に令和8年度税制改正大綱が発表されました。改正には、多くの事業者に関係するインボイス制度に関する改正も含まれています。本記事では、令和8年度税制改正大綱によりインボイス制度の経過措置はどう変わるかを解説します。 1.インボイス制度下で免税事業者と取引した場合のこれまでの取扱い 令和5年(2023年)10月1日からスタートしたインボイス制度。 インボイス制度の下では、原則として税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」が発行したインボイスがないと仕入税額控除ができません。 (注)2割特例や簡易課税制度を選択している場合を除きます。 適格請求書発行事業者になるためには、消費税の課税事業者になる必要があります。つまり、免税事業者はインボイスを発行することができません。したがって、インボイス制度開始後は、原則として免税事業者等への支払いは仕入税額控除できないことになります。 しかし、そうすると、課税事業者は免税事業者等との取引を控えるなど、社会経済への影響が大きいと見込まれたため、インボイス制度の開始後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れについても、一定期間は仕入税...
2026.01.12 税務ニュース
還付を受けるための申告は、年明け1月1日から5年間できます。ただ、2025年分については、これまで以上に注意しなくてはなりません。理由は「年収の壁の引き上げ」。 今回は来年1月1日から還付申告を考えている方向けに、年収の壁の引き上げがあった2025年分ならではの還付申告の注意点をお伝えします。 還付申告とは?いつからいつまで? 還付申告とは、すでに納めてある税金がある場合、申告をすれば払い過ぎの税金を還付してもらえることを言います。 還付申告をできる人 還付申告できるのは「わざわざ確定申告しなくてもいいのだけど、申告するとすでに納めた税金が戻ってくる人」です。主に次の人が当てはまります。 給与や業務委託の報酬から所得税が天引き(源泉徴収)されている人 年金から所得税が天引き(源泉徴収)されている人 このほか、予定納税をした個人事業主や不動産オーナーも、本来納めるべき税金が少なければ還付となります。 まとめると「源泉徴収や予定納税で納めた所得税があれば還付になる」のです。なければ申告しても還付0円です。 いつからいつまでできるのか 個人の還付申告は、還付申告をしたい...
2025.12.19 税務ニュース
1.相続税がかかる場合とは? <相続税がかかるケースのイメージ> (注)要件を満たす場合は、一定額まで生命保険金が非課税になります。 相続税は、亡くなった人(「被相続人」)から相続や遺贈によって取得した財産、相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産(「相続時精算課税適用財産」)の価額の合計額が基礎控除額を超える場合に、その超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。なお、この計算にあたっては、債務や葬式費用などの金額を控除し、次の加算対象期間内に被相続人から暦年贈与により取得した財産の価額を加算します。 Q&A「加算対象期間」とは? 加算対象期間とは、相続税の課税価格に加算される暦年贈与の対象期間をいいます。令和6年1月1日以後の暦年課税に係る贈与により取得した財産については、その加算対象期間が相続開始前7年以内とされます。具体的な被相続人の相続開始日(基本的には被相続人の死亡日)に応じた加算対象期間は、次の表のとおりです。 (出所:国税庁ウェブサイト) Point生前に贈与された財産であっても、相続発生日前一定期間内に贈与された財産は、相続税の課税価...
2025.12.12 税務ニュース
2025年11月半ば、通勤手当の非課税限度額が引き上げとなりました。4月分から非課税枠が上がります。そのため、年末調整での対処が必要です。どのような人が対象になるのでしょうか。そして注意点は。今回は年末調整におけるポイントを解説します。 通勤手当の非課税限度額の引き上げとは 通勤手当の非課税限度額の引き上げとは、文字通り「通勤手当のうち、課税されない部分の上限額が引き上げとなった」ことを言います。根拠となる法令が2025年(令和7年)11月20日に施行されました。2025年12月現時点で非課税限度額は新しい基準となっています。 通勤手当は一定額まで非課税、超えると給与として課税 「通勤手当には課税されない」と認識されがちです。しかし実際は「一定額まで非課税、超えると所得税・住民税が課税」されます。本来、給与所得者の通勤手当は実費弁済の性質があります。そのため非課税となるのですが、一定額を超えると実費弁済の性格が薄れ「経済的に得をしている」要素が強くなります。そのため、給与として課税されるのです。 今回の改正では、自動車や自転車などの交通用具を使用している人の限度額が以下のよう...
2025.12.08 税務ニュース
インバウンド景気で最近は外国人の不動産オーナーの賃貸アパート・賃貸マンションが増えています。ケースによっては賃借人が賃料以外のお金を負担することも。このお金は「源泉所得税」です。なぜ賃料を支払う賃借人がオーナーの税金まで払わなければならないのでしょうか。今回は、非居住者オーナーの場合の賃貸物件の注意点を解説します。 賃貸アパート・マンションで賃借人が所得税を負担するケースが続発 インバウンドが進んだ昨今、賃借人が家賃とは別に、所得税を払わざるを得ないケースが増えているようです。国税庁からも注意を促すようなお知らせが出ています。 引用元:その借主が源泉徴収をする必要があります!!|国税庁 なぜ、マジメに家賃を支払っている借主が、別途わざわざ貸主が払うべき所得税を払わないといけないのでしょうか。それは、貸主が外国に住む人(非居住者)だからです。そして「借主が誰か」「借主の賃借物件の用途は何か」によっては、借主が支払うべき家賃からあらかじめ所得税を天引き(源泉徴収)し、税務署に納めなくてはならなくなります。 外国人(非居住者)の不動産オーナーだとなぜ源泉所得税が生じるか なぜ非居...
2025.12.03 税務ニュース
2025年度(令和7年度)税制改正では所得控除の要件も激変しました。これにより、控除もれが多発するおそれがあります。今回の年末調整に備え、新たな所得控除の要件を確認し、どのようなケースで注意すべきかをお伝えします。 2025年分の年末調整・確定申告で注意すべき所得控除とは 2025年分の年末調整と確定申告では、所得控除の所得要件が変わりました。次の通りです。いずれも、2025年12月1日以降から適用されます。 配偶者控除 配偶者控除とは、配偶者がいる場合に所得額から一定金額を差し引かれる制度を言います。控除額は本人の所得額と配偶者の年齢によって次のように決まります。 引用元:No.1191 配偶者控除|国税庁 配偶者控除の要件の一つは「所得者と生活を共にしている配偶者の所得が48万円以下」です。これが2025年分から「58万円以下」となります。 配偶者特別控除 配偶者特別控除も、配偶者を扶養している所得者の所得額から一定額が差し引かれる制度です。控除額は次のようになっています。 引用元:No.1195 配偶者特別控除(令和7年12月1日施行)|国税庁 これまで配偶者特別...
2025.11.26 税務ニュース
資本的支出と修繕費 税務調査で問題になるポイントの一つに、資本的支出と修繕費の区分があります。固定資産を使用する場合、必然的に修理などのコストが発生します。両者はこの修理などのコストに関わるものですが、税務上の取扱いは大きく異なっています。 通常の維持管理において発生するメンテナンスコストは、税務上は修繕費とされ、原則として経費になるとされています。その一方で、敢えて特殊材料を使って行う修繕など、通常のメンテナンスの範囲を超えて、改造と言えるような修繕を行うこともあります。このような費用は、修繕費ではなく資本的支出にあたると言われます。 修繕費は、固定資産を常に使えるように維持するために必然的に発生する反面、資本的支出は固定資産の耐用年数や価値の増加につながるものです。このため、修繕費とは異なり、支出した段階においては原則として経費にはならず、固定資産の取得価額に加算することとされています。 このような大きな差がありますが、困ったことに、修繕費になるか資本的支出になるか、単純明快な基準はありません。結果として、税務調査では往々にしてこの区分が問題になります。 旧通達が有効な...
2025.11.20 税務ニュース
早いもので、2025年も年末調整の季節がやってまいりました。 実は、今年の年末調整は、私たち税理士の間でも大変だと言われています。 そこで、令和7年分年末調整は、昨年と比べて何が変わったのか?本記事では、その変更点について解説します。 まずは、令和7年分年末調整について、昨年からの変更点は次の4点です。 ※このほか、11月14日に車通勤の場合の非課税額の引き上げが決まりました。この引き上げは2025年4月から遡及して適用されるため、年末調整での精算が必要となります。 【令和7年分年末調整の変更点一覧】 「基礎控除」の見直し 「給与所得控除」の見直し 「特定親族特別控除」の創設 「扶養親族等の所得要件」の改正 では、それぞれの変更点について順番に解説していきます。 変更点1 「基礎控除」の見直し 令和7年度税制改正で基礎控除が見直しされました。 基礎控除というのは、合計所得金額2,500万円以下の人に適用される所得控除です。 基礎控除額は、合計所得金額が2,350万円以下(給与収入のみの場合は、2,545万円以下)の場合、改正前は48万円でした。...
2025.11.10 税務ニュース
大人になるために避けてとおれない、けれど難しいお金や税金のこと。本コラムでは、経営者や経理担当者のみなさんが子どもとお話をするきっかけになるように、お金と税金のトピックについて、身近な事例を取り上げて解説します。 動物園や水族館の主役といえば、ゾウやイルカなどの生き物たち。これらの生き物は、税金のルールではパソコンなどの備品と同じように取り扱われ、課税の対象となる場合があります。 第9回では、税金のルールにおける生き物の取扱いにスポットを当ててみましょう。 生き物は減価償却資産として取り扱うのが税金のルール 動物園や水族館などにいるゾウやイルカなどの生き物は、動物園や水族館などにとって欠かせない存在です。このような生き物は、税金のルールではどのように取り扱われているのでしょうか? じつは、動物園や水族館などにいる生き物は、税金のルールでは「資産」として取り扱われます。 動物園や水族館のゾウやイルカ、ペンギンといった展示や集客のための生き物は、一般的に、展示可能な期間について1年以上の期間を見込むこと...
2025.11.06 税務ニュース
個人事業主になると気になるのが「青色申告」です。メリットの多い制度ですが、申請が必要となります。提出のタイミングによっては、確定申告で青色申告ができないことも。今回は、青色申告の特徴と要件、そして申請の期限についてお伝えします。なお、本稿では事業所得を申告している個人事業主の方に向けて解説しています。 青色申告をするための条件 青色申告は、個人事業主なら誰でもできるというものではありません。次の条件を満たしていることが求められます。 青色申告承認申請書を期限内に提出すること 青色申告を行う前に「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります。書面は次のようなものです。 引用元:所得税の青色申告承認申請書|国税庁 この申請書を提出して後、年内(もし11月以降に事業開始した場合は翌年2月15日まで)に却下の通知が来なければ、承認されたものとみなされます。つまり、基本的には「青色申告の承認申請書を出せば青色申告ができる」わけです。 ただし、この青色申告承認申請書には提出期限があります(詳細は後述)。 青色申告できる所得は3つだけ 青色申告をできる所得は次の3つに限られます。 ...
2025.10.24 税務ニュース
インボイス制度が始まって早2年が経過しました。来年には2割特例が終了します。2割特例後は原則課税か簡易課税で消費税を計算しなくてはなりません。どっちがいいのか?今回はそれぞれの特徴と向き・不向きについて解説します。 個人事業主の2割特例が終わるとき インボイスの経過措置として2023年度(令和5年度)税制改正で2割特例が設けられました。インボイス登録を機にやむなく課税事業者となる小規模事業者向けです。基準期間の課税売上高が1000万円以下ならば、次のような特例を受けられます。 納税額を「原則課税か2割特例か」「簡易課税か2割特例か」という形で選べる(ただし簡易課税は事前に簡易課税選択届出をしていることが必須) 2割特例で計算するかどうかの選択は申告時でよい(事前の届出が不要) 引用元:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要|国税庁 しかし、この2割特例は永続しません。次のいずれかに当てはまると適用できなくなります。 令和9年分以降 2割特例については「2023年10月1日の属する課税期間から2023年10月1日から3年を経過す...
2025.10.13 税務ニュース
「給与に対して源泉徴収税額が高すぎる」と話題になった政治家の給与明細。その理由は、源泉徴収税額表の「乙欄」で計算されていたからでした。年末調整の時期が近づくと「甲・乙・丙」の区分を目にしますが、これはどう違うのでしょうか。今回は、特に経理や給与計算の担当者向けに、それぞれの区分の意味と違い、年末調整との関係を分かりやすく解説します。 源泉徴収税額を決める「甲・乙・丙」3つの区分とは 毎月の給与や年2回の賞与から、所得税が天引き(源泉徴収)されます。この天引きされた所得税のことを「源泉所得税」と言い、天引きされる税額を「源泉徴収税額」と呼びます。この源泉徴収税額は、給与等を受け取る側が以下の甲欄・乙欄・丙欄のいずれに当てはまるかで変わるのです。 甲欄:本業として勤務している企業での源泉徴収の区分 甲欄は「主たる給与として受け取っている場合」に適用される給与所得の源泉徴収税額の計算区分です。次のような特徴があります。 扶養控除等(異動)申告書の提出が必要 この甲欄で計算するなら、扶養控除等(異動)申告書が必要です。この用紙は次のようになっています。 引用元:令和7年分 給与所得...
2025.10.10 税務ニュース
個人事業主になって戸惑うのが「事業主貸」「事業主借」という用語です。難しそうに感じますが、これは事業とプライベートのお金のやり取りを区別するための勘定科目となっています。この記事では、確定申告が初めての方向けに、事業主貸・事業主借の意味と仕訳の仕方を、具体例をあげて解説します。 「事業主貸」「事業主借」はなぜ必要か 「事業主貸」「事業主借」とは、いずれも、個人事業主がプライベートにおける収入や支出があったときの仕訳で使う勘定科目です。いずれも必要経費ではありません。そのため、多額の支出を「事業主貸」として計上しても最終的な利益は圧縮されません。 なぜこのような勘定科目があるのでしょうか。これには次のような事情があります。 個人事業主は「事業」と「プライベート」の2つのお金がある 株式会社など法人であれば、事業用のお金しかありません。法人は何らかの目的のために設立するものです。そのため、事業以外の理由で収益・費用が発生することはありません。 一方、個人事業主は生身の人間です。事業でお金を稼ぐ一方、食事をして睡眠をし、買い物に行ったり子供の塾代を支払ったり…というプライベートな...
2025.09.19 税務ニュース
「法人化すれば節税になる」__最近、このような話を鵜呑みにして個人の事業を法人化する方が増えているようです。本当にそうなんでしょうか。今回は税理士である筆者が、個人事業の法人化によるメリット・デメリットをお伝えします。 「個人事業を法人化する」の意味 個人事業の法人化とは、「個人」で営んでいた事業を株式会社や合同会社といった「法人」に引き継ぐことです。法人化をすると事業の主人公が個人から法人となります。個人事業主と法人とでは次のような違いがあります。 個人事業主 法人(株式会社・合同会社) 課される税金 所得税・個人住民税・個人事業税ほか 法人税・法人住民税・法人事業税ほか 所得の内容 事業所得・雑所得 課税所得(法人税) 事業主の立場 個人事業主 代表取締役兼株主 (中小企業の場合) 事業主への給料は経費になるか ならない なる(ただし適正な額まで) 個人事業の法人化によるメリット 個人事業を法人化すると、次のようなメリットがあります。 自分への給料を経費にできる 個人事業主には基本的に給料がありません。事業所得あるいは雑所得という形...
2025.09.15 税務ニュース
2025年度(令和7年度)税制改正で103万円の壁が160万円に引きあがりました。これは個人事業主にも関係するのでしょうか?個人事業主は、いくらまでなら無税で稼げるのでしょうか?今回は、扶養の範囲で働きたい個人事業主向けに、令和7年以降「無税で稼ぐにはどうしたらいいか」をお伝えします。 なお、ここで言う「個人事業主」は、稼ぎを事業所得か雑所得として申告している人を対象としていますが、副業などで稼いでいる人は外しています。 2025年度(令和7年度)税制改正で個人事業主にかかわるもの 2025年度(令和7年度)の税制改正では、いわゆる「103万円の壁」が「160万円の壁」となりました。ただしこれはあくまで給与所得者、つまりバイト・パートの話です。個人事業主においては、次のようになります。 所得税 所得税では、次の3つの改正が行われました。2025年分の所得税から適用されます。 基礎控除の引き上げ 1つ目は「基礎控除の引き上げ」です。これまで基礎控除の最大の金額は48万円でした。しかし2025年分から58万円に引きあがります。 なお、58万円の基礎控除を受けられるのは、所得額(...
2025.09.10 税務ニュース
無申告の税務調査と重加算税 不正取引が税務調査で発見された場合、追徴される税額に、上乗せで重加算税というペナルティが課税されます。重加算税の対策としては、単にその法的な要件を押さえるだけではなく、税務署の実務の限界も押さえる必要があります。この実務の限界の典型例として、無申告に対する取扱いと、個人と法人という納税者の違いが挙げられます。 不正な無申告に対しても、法律上は重加算税の対象にされますが、実務で無申告者に重加算税が課されることは多くありません。数年前、とある著名人について、数年にわたる無申告と、実際に申告した年分における過大な経費の計上が問題になりました。この事例においては、申告があった年分については、不正な経費の計上があったとして重加算税が課税されましたが、無申告の年分については、重加算税は課税されておらず、無申告加算税という無申告のペナルティだけが課された模様です。 この理由は、無申告の場合には、重加算税の要件である不正の立証が難しいからです。申告という土台があれば、それを前提に不正な経費を計上しているという立証がしやすい反面、無申告はそれがないため、税金を納めな...
2025.09.01 税務ニュース
数字が苦手なクリエイターも、ITに強いクリエイターも、等しく・毎年行わなければならないのが確定申告。 青色申告には帳簿付けが必要?経費になるのならないの?天引きされる源泉所得税の取扱いは?インボイス制度に登録したけど申告はどうする? 本コラムでは、クリエイターにとって悩ましい「どうする確定申告」のトピックをやさしく解説します。 印税とは? みなさんは「印税」という言葉を知っていますか? 「印税生活」という言葉があるように、漫画家やミュージシャンといったクリエイターの主要な収入源としてイメージする人も多いかもしれません。 第1回では、印税と税金の関係について解説します。 クリエイターの多様な収入源 クリエイティブな活動が多様性を有するように、クリエイターの収入源も多様です。 クリエイターの収入源としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。 漫画または小説などの原稿料 動画、映像、またはイラストなどの制作料 出演料、講演料、演奏料など 同人誌やグッズの販売収入(イベントやWebサイトなどで販売) ハンドメイド作品の委託販売 投げ銭やパトロンサイト(pixi...
2025.08.22 税務ニュース
2024年1月1日から新しい相続時精算課税制度が始まりました。「年110万円までの贈与なら相続税も贈与税もかからない」というメリットで、選択する人が増えているようです。しかし思わぬリスクも。今回は相続時精算課税制度のリスクについて解説します。帰省の際、家族で考える材料になれば幸いです。 相続時精算課税制度とは?特徴を確認 相続時精算課税制度とは、日本の贈与税の制度の1つです。現在、暦年課税制度と相続時精算課税制度が日本の贈与税を支えています。相続時精算課税制度は、2024年1月から一部、暦年課税制度と似た「年110万円まで非課税」という制度が入ったものの、根本は大きく異なります。次の通りです。 「相続財産の前渡し制度」相続時に税金を精算する 相続時精算課税制度は、生前贈与でありながらも「相続財産の前渡し」という要素の強い制度です。実際、この制度下で生前に贈与を受け、贈与税を払ったとしても、財産をあげた人(贈与者)が亡くなったときは、生前に贈与した財産を贈与時の時価で相続財産に足し戻します。そして、発生した相続税と生前に納めた贈与税を精算するのです。 精算した結果、不足があれば...
2025.08.21 税務ニュース
2025年度税制改正では、配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除・寡婦控除などの所得要件も変更となりました。ここで注意したいのが「大学生相当の子が稼ぎすぎること」です。「19歳以上23歳未満の子が稼ぎすぎても特定親族特別控除があるから大丈夫」__そう思っていると、親がひとり親控除を受けられなくなるかもしれません。今回は、大学生相当の子がいるシングルペアレントが注意したい税リスクを解説します。 ひとり親控除とは?要件を確認 ひとり親控除とは、所得者本人がシングルペアレントである場合に受けられる所得控除です。 次の要件を満たせば、所得税では35万円、個人住民税では30万円を税額計算の基準となる所得額から差し引けます。なお、以下の要件は2025年分の所得税・2026年度分の住民税から適用されます。 所得者本人の所得額(合計所得金額)が500万円以下であること その年の12月31日時点で所得者本人「法律婚の妻や夫がいないか、妻や夫が生死不明」「事実婚の妻や夫もいない」状態であること 生活を共にする子がいて、その子の所得(総所得金額等)が58万円以下であること(バイト・パートな...
2025.08.04 おんすけと学ぶ税務情報
大人になるために避けてとおれない、けれど難しいお金や税金のこと。本コラムでは、経営者や経理担当者のみなさんが子どもとお話をするきっかけになるように、お金と税金のトピックについて、身近な事例を取り上げて解説します。 すっかりお馴染みになった「ふるさと納税」。ふるさと納税でどんな返礼品をもらおうか、毎年楽しみにしている人も多いようです。 このように、ふるさと納税は「返礼品をもらえてお得」というイメージが定着していますが、ふるさと納税は、本来、どのような目的でつくられたか知っていますか? 第8回では、ふるさと納税にスポットを当て、制度創設の経緯と制度のしくみについて解説します。 ふるさと納税はなんのためにつくられた? ふるさと納税を毎年楽しみにしている人は多いのではないでしょうか? 日本のとある地域にふるさと納税をすることで、税金上のメリットが期待できるだけでなく、たとえば果物や地酒など、その地域の特産品を返礼品としてもらうことができます。 そもそも、このふるさと納税の制度は、どのような目的でつくられた...