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「定額減税、書き忘れて申告しちゃった!どうしよう」。今回の確定申告では、こういう叫びが多いかもしれません。しかしやり直しをすれば大丈夫です。今回は、確定申告のやり直しの方法「訂正申告」「修正申告」「更正の請求」についてお伝えします。
確定申告書を紙かe-Taxで提出した後、次のようなミスが後で発覚することがあります。
このような場合、次のいずれかで確定申告をやり直すことができます。
この3つのそれぞれの関係は、基本的に次のようになっています。

では、ここからそれぞれの手続きについて見ていきましょう。
訂正申告とは、税の法律で定められた期限(以下「法定申告期限」)までに確定申告をやり直すことを言います。「法定申告期限までなら、基本的に何回でもやり直しができる」とされていますが、注意しないといけないこともあります。
個人ならば、今回の確定申告の法定申告期限は次のようになっています。
基本的に、この期間内なら何度でも訂正申告を行えます。ただし最初に提出した申告書が還付申告書の場合は要注意です。本人口座に還付されてしまうと、原則、訂正申告を行えなくなってしまいます。
訂正申告は、紙ならば確定申告書の一番上に赤字で「訂正申告」と書いて提出します。筆者は会計事務所時代、以下のようにして訂正申告を提出していました。

なお、訂正申告はe-Taxでもできます。通常の確定申告と同様に入力して送信するだけです。こちらの方がずっとラクだと思います。
修正申告とは、法定申告期限が過ぎた後に行う確定申告のやり直しです。修正申告を行う場合は通常、追加で納税をすることになります。
いったん提出した確定申告書に書かれた税金が、本来納めるべき税金より少ない場合に提出しなくてはなりません。具体的には、次のようなケースが当てはまります。
ただし、上記のような事実があったとしても、最終的な税額が変わらなければ修正申告の必要はありません。あくまでも「納めるべき税金が増えるとき」に行います。
修正申告書は、間違えた年分の確定申告書を使って申告しなおします。具体的には次のようになります。
修正申告も訂正申告と同じく、修正後の内容を記載します。記載の仕方は、期限内に提出した確定申告書と同様です。ただし、以下の点は修正申告ならではです。


なお、上記は紙で提出する場合の書き方です。e-Taxでも修正申告は可能です。国税庁「確定申告書等作成コーナー」からできます。ただし、2024年分(令和6年分)の修正申告ができるのは、2025年3月18日以降と見られます。
修正申告の場合、追加で納税をするだけではありません。原則、過少申告加算税や延滞税を払うことになります。ただし、過少申告加算税については、調査通知の前であり、なおかつ更正(税務署長が納税額を修正すること)を予知したものでなければ、かかることはありません 。
更正の請求も修正申告と同じく、法定申告期限後に行う確定申告のやり直しです。こちらは通常、還付となります。
いったん提出した確定申告書に書かれた税金が、本来納めるべき税金よりも多すぎる場合に行います。具体的には、次のようなケースが当てはまります。
ただし、最終的な還付額が変わらないようなケースや税の法令に則っていないケースだと更正の請求はできません。
また、控除などの記載漏れがすべて受け入れられるわけではありません。次のようなものは、更正の請求をしても認められません。税の法令に則っていなかったことによるミスではなく、本人の選択の問題だからです。
更正の請求では、確定申告書を使いません。更正の請求書を使います。なお、2021年分(令和3年分)までと、2022年分(令和4年分)以降とで様式が異なります。
更正の請求書も修正申告書と同様、計算欄は正しい内容を確定申告書のように書きます。ただし、次の点に注意が必要です。

なお、上記は紙で提出する場合の書き方です。e-Taxでも更正の請求は可能です。国税庁「確定申告書等作成コーナー」からできます。ただし、2024年分(令和6年分)の更正の請求ができるのは、2025年3月18日以降と見られます。
このほか、更正の請求は内容によっては書類の添付が必要です。医療費控除の計上漏れなら医療費のレシートが、生命保険料控除の計上漏れなら控除証明書の添付が必要となります。
更正の請求には、次のような注意点があります。
最近は税が複雑化しているため、間違えやすいと思います。間違えたときにどうしようとあわてず、今回ご紹介した方法でやり直していただけると幸いです。
税理士 鈴木まゆ子
税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒。ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、マネーの達人、朝日新聞『相続会議』、KaikeiZine、納税通信などで税務・会計の記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)。