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会計ソフトには、クラウド型・インストール型といった提供形態の違いはもちろん、青色申告に特化したものから法人決算対応の本格派まで、実に多くの種類があります。業種や事業規模、担当者のスキルによっても最適な製品は異なるため、「何を重視すべきか」を整理することが重要です。
本記事では、会計ソフトの基本的な機能や導入メリットをはじめ、クラウド型とインストール型の違い、選定時に確認すべきポイントなどをわかりやすく解説します。
会計ソフトは、帳簿の作成や決算業務など、複雑になりがちな経理処理を自動化・効率化できる便利なツールです。最近では、クラウド型や青色申告専用ソフトなど、目的や使う人に応じた多様な製品が登場しており、経理に不慣れな方でも導入しやすくなっています。
しかし「どのソフトを選べばよいか分からない」「青色申告用の会計ソフトと法人用ソフトの違いが知りたい」など、初めて会計ソフトを検討する方にとっては、選定のハードルを感じることも少なくありません。
この章では、会計ソフトの基本的な役割や導入によるメリット、個人事業主向けの青色申告ソフトとの違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。
会計ソフトは、企業や個人事業主が日々の取引を記録し、帳簿書類を作成するためのソフトウェアです。仕訳の入力、勘定科目への振り分け、決算書の作成、レポート出力など、経理に必要な一連の作業を効率化できます。債権・債務管理や経営分析機能を備えたものもあり、日常の会計処理だけでなく、経営判断に役立つ情報の把握にも活用されています。
個人事業主の経理の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
会計ソフトを導入することで、経理作業の効率化や業務の標準化が実現できます。手入力によるミスの削減、帳簿作成の自動化、財務状況の可視化など、ヒューマンエラーを防ぎながら、経営の意思決定にも役立つデータをスムーズに把握できるようになります。電子帳簿保存法やインボイス制度など、法令対応にも活用可能です。
青色申告ソフトは、個人事業主が青色申告を行うために特化した会計ソフトです。確定申告に必要な書類の作成機能を備えており、複式簿記による記帳や損益計算書・貸借対照表の作成が可能です。青色申告特別控除を受けるための条件を満たす形式で帳簿を作成できる設計になっているため、ミスを防ぐ意味でも積極的に使いたいところです。
法人向けのソフトとは機能や帳簿の構成が異なるため、使用目的に応じて選ぶ必要があります。
青色申告について、詳しく知りたいという人はこちらの記事も参考にしてみてください。
会計ソフトを導入する際は、「どの製品が最も使いやすいか」だけでなく、自社の業務内容や経理体制、将来的な運用方法も含めて慎重に検討する必要があります。
この章では、会計ソフトを選ぶ際に押さえておきたい比較ポイントを項目ごとに詳しく解説します。
会計ソフトは、「クラウド型」と「インストール型(デスクトップ型)」の大きく2つに分類されます。どちらも会計業務を効率化するという目的は共通していますが、導入方法や運用環境、対応範囲、費用構造などが異なるため、自社の業務体制や経理環境に応じて適切なタイプを選定することが重要です。
クラウド型は、インターネット環境さえあればどこでもアクセスできる利便性が特徴で、バージョン管理や法改正への対応がスムーズな点が魅力です。一方、インストール型は、ネット接続が不要な環境でも使用できる安定性があり、導入後の継続的なランニングコストが発生しないことが特徴です。
クラウド型会計ソフトは、提供事業者のサーバー上に会計データを保存し、ユーザーはブラウザなどを通じてアクセスして利用します。月額課金制が一般的で、初期投資を抑えながら、最新の会計基準や税制に対応したソフトを常に使えるという点が最大のメリットです。
クラウド型のメリットは以下のとおりです。
一方で、クラウド型にはいくつかの注意点やデメリットもあります。
インストール型会計ソフトは、ソフトウェアをユーザーのパソコンに直接インストールして利用する形式です。パッケージ版・買い切り型として提供されることが多く、オフラインでの作業が可能なことから、通信環境に左右されない安定した運用が期待できます。
インストール型の主なメリットは以下のとおりです。
インストール型にもデメリットはあります。
会計ソフトは、操作方法や設定内容に不明点が生じた際、迅速かつ的確なサポートが受けられるかどうかが、導入後の満足度や運用効率に大きく関わります。特に経理や会計業務に不慣れな担当者が使用する場合、サポートの質がそのまま業務のスムーズさに直結するといっても過言ではありません。
サポートの確認ポイントは以下のとおりです。
とくにクラウド型では、サポートが月額利用料に含まれていることが多い一方で、プランによって対応範囲や受付時間が異なることがあります。導入前に、自社の業務時間やスキルに見合った支援が受けられるかを確認しましょう。
現代の会計業務は、請求書発行ツール、経費精算アプリ、POSレジ、給与計算システム、販売管理システムなど、他の業務システムと連携することで、より効率化が図れるようになっています。会計ソフトの選定時には、これらのシステムとの連携性やAPI連携の柔軟さも確認しておくべき重要なポイントです。
たとえば次のような連携が可能かどうかをチェックします。
業務規模が大きくなるほど、他システムとのスムーズな連携が求められます。将来的なシステム拡張や業務効率化を見据え、連携可能なツールの種類や範囲、設定のしやすさなども比較しましょう。
会計や税務に関わる法律は定期的に見直しが行われ、制度が変わるたびに帳簿形式や申告方法、税率などが変化します。会計ソフトがこうした改正にすばやく対応しているかどうかは、長期的な運用において重要です。
近年の代表的な法改正としては、以下のようなものがあります。
クラウド型のソフトは、ベンダー側がアップデートを管理しており、法改正があっても自動的に最新の状態に保たれます。一方でインストール型の場合、ユーザー自身がバージョンアップやパッチの適用を行う必要があるケースもあります。事前に更新の方法やタイミング、サポートの範囲などを確認しておくと安心です。
会計ソフトは機能面だけでなく、実際の画面操作やナビゲーションのしやすさも非常に重要です。特に経理に不慣れなスタッフが使用する場合、どれだけ「使いやすいか」が継続利用できるかどうかの決め手になります。そのため、導入前に無料体験版やトライアル期間を活用して、実際に試してみることをおすすめします。
無料体験版を使う際に確認しておきたいポイントは以下のとおりです。
無料体験は通常、1週間から1か月程度が多く、中には登録不要ですぐに試せるソフトもあります。複数のソフトを比較することで、自社の業務に最も合ったものを選定しやすくなります。
ソリマチの会計ソフト「会計王」と「みんなの青色申告」は、30日間の無料体験が利用できるので、ぜひ一度使い勝手を試してみてください。
会計ソフトは「誰が使うか」によって最適な製品が変わります。個人事業主と法人では、記帳の義務や提出書類の種類、税制上の対応も異なるため、選ぶべきソフトの機能やサポート内容にも違いが生まれます。
この章では、「個人事業主向け」と「法人向け」に分けて、それぞれの立場に合った会計ソフトの選び方のポイントを解説します。
個人事業主の場合、会計ソフトは「青色申告に対応しているか」「確定申告に必要な書類が出力できるか」の観点から選ぶことが大切です。
多くの個人事業主は会計の専門知識を持っていないケースが多く、入力のしやすさや、操作のわかりやすさが重視されます。
会計ソフトを選ぶ際に注目したいポイントは次のとおりです。
クラウド型であれば、スマートフォンやタブレットからも記帳できる製品もあり、時間や場所にとらわれず記帳作業を進めたい個人事業主にとって便利です。
また、仕訳のアドバイス機能や確定申告時のガイド表示があるソフトも多く、税務署に提出するまでの一連の流れをサポートしてくれます。
法人の場合、個人事業主と比べて帳簿作成や税務対応に求められる要件が増えるため、より高度な機能や安定性、法令対応力が求められます。特に法人税や消費税の対応、年次決算や監査対応などが必要となる中で、単なる記帳だけでなく業務全体の効率化が図れる会計ソフトが求められます。
法人が会計ソフトを選ぶ際に注目すべきポイントは次のとおりです。
特に、月次決算を効率化したい企業や、資金繰りを精緻に管理したい企業では、分析レポートや帳票出力の機能が豊富なソフトを選ぶことで、経営判断の精度が大きく向上します。
さらに、経費精算システムや販売管理システムと連携できる製品であれば、仕訳の自動化や入力作業の削減につながり、経理業務全体の負担を軽減できます。
会計ソフトは、ただ経理業務を簡単にするだけのツールではありません。日々の取引を記録し、帳簿や決算書を整えることで、事業の「見える化」を実現し、将来的な成長戦略にも役立ちます。
個人事業主には、青色申告への対応やシンプルな操作性がポイントとなる一方、法人には法令対応力や他システムとの連携性が求められます。自社の規模や業務内容に合わせて、最適な会計ソフトを選びましょう。
加藤良大
フリーライター
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歴12年フリーライター。執筆実績は26,000本以上。
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