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【2025年分確定申告】基礎控除が48万円じゃない!なぜ?確認すべきポイントと注…
税務ニュース

【2025年分確定申告】基礎控除が48万円じゃない!なぜ?確認すべきポイントと注意点を解説

掲載日 : 2026.03.09 / 最終更新日 : 2026.03.04

医療費控除や事業所得、副業で行う確定申告。今回は一通り計算を終えた後、こんなことをつぶやいていないでしょうか。

「…あら?おかしいわ。基礎控除ってたしか48万円だったわよね?まちがえたかしら」

それ、間違えていません。なぜなら基礎控除の金額は今回の確定申告から変わったからです。それゆえに思わぬ損をすることも。

この記事では、2025年分(令和7年分)確定申告における基礎控除の確認ポイントと今回ならではの注意点をお伝えします。

2025年度(令和7年度)税制改正で基礎控除の金額が大幅引き上げ

今回の確定申告で「あれ…これでいいのかな」と不安になったり、違和感を覚えたりした人は多いかと思います。それもそのはずです。2020年からずっと基礎控除額は最大48万円で固定してきました。しかし、2025年分から次のように変わったのです。

なぜ変わったのか。理由は「年収の壁」の引き上げです。

これまで長らく、バイト・パートの所得税が非課税になる年収の壁は103万円でした。しかし2025年度(令和7年度)税制改正で、年収の壁は160万円となりました。この壁の内訳は、次の図の右側部分となっています。

  • もともとの基礎控除:48万円→58万円に(所得額2350万円まで)
  • 新たにできた基礎控除の上乗せ:37万円(所得額132万円まで)

2025年は、この2つが合わさって「基礎控除額は最大95万円」となっています。このほか、所得額が655万円までは基礎控除は上乗せがあります。ただし所得が高くなれば高いほど、上乗せは少なくなります。

この結果「あれ?基礎控除って58万円ではなかったっけ?私、間違えたかしら…」という現象が生じるのです。

「基礎控除、合っている?」を確認するポイント

では、基礎控除の額が合っているかどうかは、どこで確認したらいいのでしょうか。

ポイントは「合計所得金額」

基礎控除の金額は「合計所得金額がいくらなのか」で変わります。合計所得金額は所得税の法律で、次のように意味を決められています。

次の①と②の合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です。
※ 申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。  

① 事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額) 
② 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額 

ただし、次の繰越控除を受けている場合は、その適用前の金額をいいます。

  • 純損失や雑損失の繰越控除
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
  • 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
  • 特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
  • 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

難しい言葉であれこれ書かれていますが「青色申告の繰越控除がない」「昨年マイホームを売却したときの赤字の繰越がない」と言う状況であれば、確定申告書の次の赤枠の部分を確認するとよいでしょう。

この赤枠部分の金額を、先ほどの基礎控除の合計所得金額の欄に当てはめてみてください。そこから導き出された数字が、あなたの2025年分(令和7年分)の所得税の基礎控除の金額です。

2025年分(令和7年分)確定申告での注意点

2025年分の基礎控除は、前年までの基礎控除よりかなり引き上げとなりました。そのため、いくつか注意点があります。

所得税は0円でも住民税がかかることも

「年収160万円の壁」のおかげで多くのバイト・パートの方は2025年、例年より稼いでも所得税が0円となっているはずです。また、独立・開業したばかりのフリーランスの方も、思ったほど所得税がかからないか、あるいは所得税が0円という状態になっているかと思います。

しかし住民税は別です。所得税が0円でも住民税はかかることがあります。なぜなら、住民税の非課税のルールや所得割が0円になるルールは、所得税とは別の法律で定められているからです。

たとえば東京都23区ならば、次のようになっています。

住民税での基礎控除は、所得税と異なり、最大43万円となっています。2025年(令和7年)分所得税と2026年度(令和8年度)分住民税それぞれの基礎控除の額を表にすると次のようになります。

合計所得金額 基礎控除の額
所得税(2025年分) 住民税(2026年度分以降)
132万円以下 95万円 43万円
132万円超336万円以下 88万円
336万円超489万円以下 68万円
489万円超655万円以下 63万円
655万円超2350万円以下 58万円
2350万円超2400万円以下 48万円
2400万円超2450万円以下 32万円 29万円
2450万円超2500万円以下 16万円 15万円
2500万円超 0円

たとえば、2025年の1年間の所得が100万円近くだと、住民税がかかる可能性があるわけです。

安易に所得控除を省略しないこと

基礎控除が高いと、他の所得控除を何も引かなくても所得税が0円となることがあります。そのため、人によっては本来書くべき所得控除を省略したくなるかもしれません。しかしもし、ここで省略してしまうと、住民税が本来の金額より高くつくことがあります。

たとえば大学生のバイトです。大学生の場合、勤労学生控除を受けるケースが多いかと思います。しかし2025年分の所得税では、わざわざ勤労学生控除を受けなくても所得税は0円になります。年収の壁が160万円になったからです。

もしここで確定申告書に勤労学生控除を書かないでいると、勤労学生控除を記載した場合よりも高くついたりする可能性があります。

おわりに

なお、2026年度(令和8年度)税制改正では、さらに基礎控除がアップしました。これにより所得税0円の恩恵を受ける人がさらに増えますが、住民税の基礎控除は相変わらず据え置きです。「2025年分の確定申告から基礎控除は毎回確認するもの」と意識する方が無難です。

ABOUT執筆者紹介

税理士 鈴木まゆ子

税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒。ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、マネーの達人、朝日新聞『相続会議』、KaikeiZine、納税通信などで税務・会計の記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)。