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2018.10.01 社会保険ワンポイントコラム
「働き方改革関連法」が去る6月29日に可決・成立しました。そのうち、雇用対策法(改め「労働施策総合推進法」)については、7月6日の公布日に即日施行されています。実務に影響を及ぼすその他の法律については、2019年4月1日から順次施行されることになりました。今回は、中小企業にも大きな影響を及ぼす重要な改正事項2点について解説していきます。 年次有給休暇を使用者が強制的に取得させることを罰則付きで義務化(2019年4月1日) 長い標題ですが、正確に改正労働基準法第39条の趣旨を表現するとこうなります。本来、年休は労働者の権利ですから、使用者が口出しすることはご法度なのですが、敢えて「労働者に年休を取得させること」が使用者に義務付けられました。対象は、10日以上の年休が付与されている労働者で、毎年5日を時季指定して与える必要があります。もちろん、労働者が自ら時季指定して取得していれば、その日数分の指定は不要です。 使用者が時季指定するにあたっては、権利者たる労働者から意見を聴取、つまり希望を聴くことが必要です。また、労働者ごとに「年休管理簿」を作成して、3年間保存し、適正に管理するこ...
2018.09.01 社会保険ワンポイントコラム
みなし残業代とは 企業は通常、労働者の実労働時間に応じて時間外労働や休日労働の割増賃金を毎月計算して支給する必要がありますが、毎月一定時間の時間外労働をしたものとし、そのみなした残業に対して支給する一定額を、「みなし残業代」と呼んでいます。 みなし残業代は、企業の割増賃金支払義務を免除するようなものではありません。 仮に労働者の実労働時間に応じて支払うべき割増賃金がみなし残業代を超える場合には、当然、超えた分の割増賃金の精算・支払いが必要になります。 労働者のメリット:定時で退社すれば得!? (労働者の実際の残業時間にかかわらず)一定時間の残業時間を見込んでみなし残業代が支払われます。 つまり、労働者が業務効率をあげて労働時間を短縮できれば、常に定時で帰りつつも残業代込みの賃金をもらうことが可能です。このメリットは非常に大きいのではないでしょうか。 企業のメリット➀:事務処理の軽減 他方、企業側は一定時間の枠内で残業代を一律計算するため、賃金計算の効率化を図ることができます。 しかし、注意すべき点として、企業は本来支払われるべき割増賃金がみなし残業代を上回っていればその差額を支...
2018.08.01 社会保険ワンポイントコラム
7月は多くの民間企業の賞与支給月にあたる。賞与を支給したときは、日本年金機構に『賞与支払届』を提出することが義務付けられているが、この届書は本年度から様式が変更されている。あなたの会社では新様式の『賞与支払届』を正しく作成・提出できているだろうか。 「被保険者用」と「70歳以上被用者用」の“兼用様式”へ 本年3月5日から厚生年金保険や健康保険の各種手続きに使用する届書が一部、変更になった。賞与支給時に提出が求められる『賞与支払届』と『賞与支払届 総括表』も変更されたため、今夏は多くの企業が様式変更後初めての賞与支給事務に取り組んでいる。 新様式の最も大きな変更点は、従来、異なる様式であった「被保険者用」と「70歳以上被用者用」の『賞与支払届』が“兼用の様式”になった点である。つまり、1種類の『賞与支払届』で全ての賞与支給実績が届け出られる方式に変更されたわけである。そのため、一見すると企業側の書類作成負担が軽減されたように思える。しかしながら、新しい『賞与支払届』は記入項目が増加し、記入ルールが分かり辛くなったという問題も生じているようである。 見落としがちな新様式の「備考欄」 ...
2018.06.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は「働き方改革」について、法律案が国会に提出(平成30年4月6日)されていますので、現段階での法案内容を確認しておきましょう。 長時間労働を是正し、多様で柔軟な働き方を実現する まず、一般的に残業といわれる時間外労働の上限見直しがなされることになります。1ヶ月45時間1年360時間を原則とし、臨時特別時の特別条項を加えて1年720時間、単月100時間未満、複数月平均が80時間に制限されます。注意点として上記特別条項発動時の単月100時間および複数月80時間には休日の労働時間も含むとされています(自動車運転、建設、医師等の業務については猶予期間を設けた上で適用外の例外あり)。 現行 改正案 特別条項発動時の上限時間 上限時間なし ・年720時間 ・単月での最長100時間未満* ・2~6ヶ月の複数月の平均80時間* *休日労働含む 原則の上限時間 1ヶ月45時間1年360時間【現行に同じ】 法定労働時間 1日8時間1週40時間(特例事業場は44時間)【現行に同じ】 次に中小企業においては月60時間超の時間外割増の猶予措置が廃止され、本来の割増賃...
2018.05.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は最近の年金事務所の調査の傾向について取り上げてみたいと思います。 窓口調査と実地調査 年金事務所の調査は主に「窓口調査」と「実地調査」の2種類があります。一昔前までは会社が初めて社会保険に加入する「新規適用」の際には年金事務所の担当官が社会保険の登録所在地まで出向き、本当にその場所で会社が存在し、かつ労働者の方がそこで働いているかについての調査(実地調査)がありました。しかし、近年はこの調査がなくなり、最初の定時決定(毎年7月初めに行われる4月~6月の給与支払い状況や労働者数の実態報告)の際に窓口調査が行われることが多くなりました。 窓口調査のターゲット1「パート等の未加入者」 この窓口調査における年金事務所の主なターゲットは「社会保険における加入漏れ」と「月額変更届の提出漏れ」にあると思われます。前者の加入漏れは文字通り、本来、社会保険の加入をしなければならない従業員が、加入漏れを起こしていないかを調査するものです。一番オーソドックスなポイントは「源泉税を徴収している人数」と「社会保険加入者」の数を比較することで、この窓口調査の持参書類の中には大抵、源泉所得税の領収済通知書...
2018.04.01 社会保険ワンポイントコラム
毎年、春は健康保険関係の保険料率改定の時期です。それに加えて今回は年金分野でのマイナンバー制度導入も始まりました。事務担当者にとっては見逃せない事項ばかりですのでしっかりと確認し、対応していきましょう。 保険料率の変更 まずは保険料率の改定についてです。協会けんぽの健康保険料率、介護保険料率が平成30年3月分(4月納付分)から変更となりました。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに異なっており、東京都の場合は前年度の9.91%より0.01%下がって、9.90%と若干下がりました。大阪府の場合は逆に昨年度の10.13%から10.17%にアップしています。これに、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、全国一律の介護保険料率(1.57%)が加わります。 なお、給与から控除する金額は上記の半分(折半額)であり、任意継続被保険者及び日雇特例被保険者の方は4月分(4月納付分)からの変更となっています。また、協会けんぽではなく健康保険組合の場合は組合ごとに保険料率が異なっていますのでお気を付けください。 年金分野でのマイナンバー利用開始 健康保険組合ではすでにマイナンバー利用...
2018.03.01 社会保険ワンポイントコラム
1月号で平成30年4月から対象者が発生する「無期雇用転換ルール」についてポイントを記載させていただきましたが、今回はその中の継続雇用(定年再雇用)者に対する無期雇用転換の例外ルール(第二種計画認定・変更申請書、以下「第二種計画」とする)についてスポットをあててお伝えしたいと思います。 第二種計画の対象者とは 無期転換制度は、労働契約の期間に定めがある「有期労働契約者」が、1回以上の更新をして通算した期間が5年を超えて繰り返し契約することが見込まれた場合、その方が契約期間の満了までに「期間の定めのない労働契約(無期契約)」を申し出たときは、会社はこの申し込みを承諾したものとみなされる制度です。この対象者は通常、「パート社員」や「フルタイム有期契約社員」を連想しますが、60歳定年後にそのまま継続雇用(定年再雇用)となった方が、1回以上の更新をして通年5年を超えて雇用された場合でも権利が発生してしまいます。この継続雇用の方が無期転換権を行使された場合、すでに定年を超えていますので70歳でも80歳でも「文字通りの無期雇用」となり、大きな影響が予想されます。 対象者の分かれ目 対象者発生の分...
2018.02.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は昨年12月8日に「新しい経済政策決定パッケージ」が閣議決定されましたので、この内容を確認しておきましょう。 今回目指すもの 今回の経済政策パッケージは、少子高齢化という大きな壁に立ち向かうため「生産性革命」と「人づくり革命」を断行し、経済成長の実現によって社会保障を充実し、子供も、子育て世代も、お年寄りも、誰もが安心できる社会基盤の実現を目指すとされています。 人づくり革命 人づくりこそが次なる社会を切り開く原動力だとして、子供達に関することや介護に携わる人に予算を振り分けるとしています。具体的には、若い親世代の子育て負担を軽減させるため3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の教育無償化、待機児童問題に関して女性就業率80%に対応できる32万人分の保育の受け皿を2020年度末までに整備、所得が低い家庭の子供たちに対する大学、短大、高等専門学校等の授業料減免措置、給付型奨学金、等が計画されている他、介護職員に対する処遇改善が含まれています。 生産性革命 生産性向上のため、企業の投資促進や破壊的イノベーションによる生産性革命が計画されています。具体的には企業の...
2018.01.10 社会保険ワンポイントコラム
4月1日より2018年問題といわれていた「無期転換制度」が適用開始となるため、ここにきて各企業での動きが慌ただしくなっています。そこで今回は、この「無期転換」の内容確認と注意点について触れてみたいと思います。 無期転換制度とは 無期転換制度は、労働契約の期間に定めがある「有期労働契約者」が、1回以上の更新をして通算した期間が5年を超えることが見込まれた場合、その方が契約期間の満了までに「期間の定めのない労働契約(無期契約)」を申し出たときは、会社はこの申し込みを承諾したものとなる制度です。 対象者と効力 この制度の対象者は原則として有期労働契約期間が5年を超える方はすべて対象となるため、契約社員、パートタイマー、アルバイト、といった名称は関係ありません(全員適用)。また、本人が「無期になりたい」と手を挙げた時に成立しますので、そこで会社が「この人は(無期契約にしたくない)…」というような選別は認められていません。注意点は無期契約に切り替わるのは、無期契約転換に手を挙げた契約期間の終了後ですので、上記図の方が平成30年5月に無期の申し出をした場合でも、無期の契約に切り替わるのは平成3...
2017.12.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は来年(平成30年)1月1日から施行される「求人の募集や申込み制度の変更」についてです。 ハローワークへの求人等が改正 今年(平成29年)の3月31日に職業安定法の一部が改正となっていますが、その中で労働者の募集やハローワークへの求人申込みの制度内容が来年1月1日から施行となります。おおまかには、求人する際に気を付けなければならないことが多数加わっています。今までのような「募集内容と採用する内容は別」といったわけにはいかないですので、以下、確認しながら読み進めてください。 労働条件変更の明示 ハローワークや自社HP等から求人する際には、労働条件の明示が定められています。しかし、採用の面接等の過程で最初に募集していた労働条件とは異なる条件となっていることも多かったようです。それが今回、「当初明示した労働条件が変更された場合は、変更内容について明示しなければならない」という事項が職業安定法改正により新設されました。よって、今後は「募集時には(実際の採用条件とは異なるが)とりあえず好条件で掲載して応募者の目を惹いてしまえば良い」といった考えは改める必要があります(職業安定法に基づく指...
2017.11.01 社会保険ワンポイントコラム
会社からのサポートも必要 気候も穏やかな秋は結婚式のシーズンでもあります。会社担当者が従業員から「実はこのたび結婚することになりまして」という幸せな報告を受けた時は、「よかったですね、おめでとうございます」と言葉をかけるだけではなく、必要な段取りを手配しなければなりません。小規模な会社でも、ふだんから段取りの確認はしておくべきでしょう。 お祝い金と電報 まず、①お祝い金の額、②電報等のルールを決めておきましょう。お祝い金については、一般的には従業員によって金額に差をつけることはありませんので、慶弔金規程等で金額を一定額としておきましょう。電報については、「電報の文面」や「誰の名前で送るのか」という点が重要ですので、結婚される方の役職や所属によって内部ルールで使い分けするのも良いかもしれません。 結婚式の対応 会社の規模や結婚される方の役職により、結婚式に参列される方の顔ぶれが変わることがあります。小さな会社であれば代表取締役が出席されることも多いかと思いますが、規模が大きくなればなかなか難しいでしょう。上の方の日程調整が必要ですので、会社担当者の方は従業員から式の日取りや会場の場所、...
2017.10.01 社会保険ワンポイントコラム
毎年、春と秋は法改正が多い季節ですが、今年の秋もたくさんの改正が予定されています。そこで今回はすでにお伝えした情報もあわせて、会社担当者に必要な3つの改正情報を取り上げてみたいと思います。 改正1 (地域別)最低賃金額 都道府県ごとによって決められる地域別最低賃金は、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が改定額の目安について全国をA~Dのランクに分けて答申を行い、この結果を受けて地方最低賃金審議会が調査審議、最終的に都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します。 中央最低賃金審議会の今年の引上げ額の目安については、Aランク26円、Bランク25円、Cランク24円、Dランク22円 となっています。たとえば東京都は現在932円ですので今年は26円引き上げられて見込みでは958円です。今後、他の道府県と同様に決定される予定です。効力は給与締め日とは関係なく発効日から(都道府県により異なる場合が多い)となりますので、発効日と給与締め日とのタイムラグがないようにお気を付けください(最低賃金額を守らなかった場合は50万円以下の罰金と定められています)。 また、最低賃金額は「地域別...
2017.09.01 社会保険ワンポイントコラム
近年、「求人の募集をしてもなかなか人が集まらなくなった」と感じることはありませんか?厚生労働省の「一般職業紹介状況」の調査結果によると、リーマンショック時の平成21年の有効求人倍率が0.47だったのに対して昨年の平成28年では1.36。つまり求職側の売り手市場のため、会社では従業員の確保が困難になっていることを表しています。働く人が確保できなければ、売り上げ拡大はおろか、今の会社経営の維持存続さえ難しくなってしまいます。そこで、今回は求人方法の基本ともいえる、ハローワークでの求人方法の基本と応募者からの目を惹くためのポイント等について触れてみたいと思います。 ポイント1 掲載するための基準 ハローワークで求人票を掲載するには、まず募集する会社が雇用保険に加入しており、採用された労働者が雇用保険の資格取得をすることが前提になっています。新設された会社でまだ該当する労働者がおらず雇用保険に加入していない場合は、採用と同時に会社が雇用保険の適用事業所となり、労働者の雇用保険の資格取得手続きをすることになります。続いて掲載する内容ですが、労働基準法をはじめとした労働法の基準を下回る内容であ...
2017.08.01 社会保険ワンポイントコラム
最近、TVや週刊誌でパワーハラスメント(以下、パワハラ)に当たると思われる事案について、実際に録音された音声が繰り返し流されています。パワハラはパワハラをしている方にその意識や悪気がなかったとしても、受けた側の心(時には身体も)の傷は大きく、就業環境の悪化に耐え切れず、退職に追い込まれることさえあります。そこで、今回はパワハラに限らず、会社担当者が気を付けるべきハラスメントについてまとめてみました。 ハラスメント1 セクシャルハラスメント(以下、セクハラ) 労働者の意に反する「性的な言動」により、「労働条件についての不利益や就業環境が害されること」と厚生労働省で定義されており、一般的に男性から女性に対する言動を指しますが、女性から男性に対する言動や同性に対するものも該当する場合があります。このセクハラは男女雇用機会均等法(以下、均等法とする)により、事業者は相談窓口を整備するなど防止措置をとることが義務付けられています。よって相談窓口に相談があった際に調査もせずに「あの人はまじめな人だからセクハラなんてするはずがない(あなたの思い込み)」などという偏った姿勢を会社が取ることは許され...
2017.07.01 社会保険ワンポイントコラム
今年の1月1日に改正育児・介護休業法が施行されましたが、この秋にさらに改正されるということをご存知でしたでしょうか?短期間での改正になりますので、実務担当者の方は情報もれのないよう、今のうちに確認していただきたいと思います。 前回の改正内容 今年初めの育児・介護休業法の改正箇所は主に介護休業関連が中心でした。介護休業に関して「対象家族の範囲の拡大」や「同一対象家族について3回までの分割取得」、それに「介護短時間勤務の期間変更」や「所定外労働の免除(残業免除)」「介護休暇の半日取得」などが改正されました。しかし、育児休業関連については、育児休業の対象となる子が「特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等」への拡大や、「子の看護休暇の半日取得」といった程度でした。 育児休業の現状 今回、育児休業が法改正されることになったのですが、その理由は主に育児休業の現状にあります。現在、育児休業を取得することができる期間は、原則、対象となる子が「1歳まで」となっており、保育園等に入所できなかった場合に限り、例外的に「6ヶ月延長」が認められ、合計最長「1歳6ヶ月まで」育児休業の取得が...
2017.06.01 社会保険ワンポイントコラム
今回のテーマは万が一に備えての内容です。 イザという時に備えて 不幸にして従業員の方が在職中に亡くなられてしまう場合があります。まさかあの人が……という突然のケースもありうることだと思いますので、会社担当者としてはいざという時に備えての準備と段取りの確認はしておくべきでしょう。 規程の整備 まず、ふだんからの準備として規程関係を整備しておきましょう。整備しておくべき項目は①弔慰金の額、②花輪(供花)や電報の基準、等です。弔慰金については業務上で亡くなったのか、業務外で亡くなったのか、によって金額に差をつけている場合もあります。また、花輪等や電報についても規程で定めておけば、急な事態に迷うこともなくなるでしょう。弔慰金については、勤続年数によって決めている場合もあれば、一律で10万円などと決めているところもあります。また、業務上の死亡か、業務外の死亡かによって区分している会社もあります。 気を付けていただきたいのは、花輪等については葬儀場によって指定業者が決まっている場合があることです。業者選定に関しては都度の判断が妥当です。 葬儀の対応 会社での貢献度や役職等により、ご葬儀に従業...
2017.05.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は最近よく耳にする働き方改革実現会議の重要なテーマであった「同一労働同一賃金」について、この考えに至った経緯について触れてみたいと思います。 働き方改革会議 我が国は少子高齢化が進み生産年齢人口は継続した減少傾向にあります。また、労働生産性に関しても諸外国と比較して低い順位となっており(注)、経済回復の足かせとなっています。そのような背景の折、昨年8月3日に発足した第3次安倍再改造内閣において日本経済再生に向けて「働き方改革担当相」が新設され、昨年9月から今年の3月まで10回にわたり「働き方改革実現会議」が開催されました。安倍首相は、この働き方改革を日本経済再生の「最大のチャレンジ」と位置づけたのです。 (注)2014年マンアワーベースの労働生産性水準の国際比較 (厚生労働省 平成27年版 労働経済の分析) 1位 ノルウェー 2位 米国 3位 ベルギー 4位 デンマーク 5位 フランス 6位 ドイツ 7位 スイス 8位 スウェーデン 9位 フィンランド 10位 スペイン 11位 イタリア 12位 カナダ 13位 英国 14位 OECD平均 15位 日本 ...
2017.04.01 社会保険ワンポイントコラム
会社の社会保険担当者の方、特に給与計算を扱っている方にとっては春と秋の年2回、気を付けなければならない時期がやってきます。特に春は健康保険料に関する保険料率の変更や雇用保険料率の変更があります。この変更を見逃してしまうと保険料率が上がった場合は会社側の負担が重くなり、また逆に保険料率が下がった場合はお給料から多くとりすぎて従業員の方が余計な負担をしてしまうことになります。間違うと影響が大きいですので、担当者の方はしっかり確認しておきましょう。 健康保険料の違い ひと口に健康保険料といっても、全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」)か、組合管掌の健保組合(以下「組合健保」)かによって保険料率が異なります。このうち協会けんぽの医療にかかる保険料率(一般保険料率)が変更になることが決定しました。この一般保険料率(注)は都道府県によって異なっていますので、会社の登録所在地が該当する都道府県で判断しなければなりません。 (注)一般保険料率は、基本保険料率と特定保険料率とで構成されており、基本保険料率は被保険者や被扶養者の給付等に充てられ、特定保険料率は後期高齢者の支援金等に充てられます。特定保...
2017.03.01 社会保険ワンポイントコラム
今回は社会保険関係のマイナンバー状況について確認しておきましょう。 1年遅れで対応 会社が行政機関に提出する従業員関連の書類について、本来は平成28年1月からマイナンバー記載が必要とされていました。ところが実施前に年金事務所での管理体制不備が明らかとなり、社会保険でマイナンバーを導入するのは1年遅れとされました。このため、年金事務所等に対する届け出書類にはマイナンバー記入欄が設けられなかっただけでなく、添付書類にもマイナンバーの記載はしないように、となりました。 29年1月からの状況 上記のように社会保険関係でのマイナンバー利用は1年遅れ、つまり、平成29年1月からの届け出書類には多くの書類でマイナンバー記載が必須となる予定でした。ところが実態は異なり、協会けんぽと組合管掌の健康保険組合(以下、健保組合)では扱いが異なってしまいました。具体的には協会けんぽに加入している会社については当面の間は引き続きマイナンバーは不要、健保組合加入の会社についてはマイナンバーの記入が必要となりました。 加入の健保によって異なる対応 会社が協会けんぽに加入か健保組合かによって対応が異なると述べました...
2017.02.01 社会保険ワンポイントコラム
毎年のように労働法関連の法律が改正されていますが、今年も1月1日から改正育児介護休業法、男女雇用機会均等法が施行されました。今回の改正に関しては企業規模に関係なく対象となりますので、実務担当者の方は必ず確認しておきましょう。 改正内容1 介護休業の対象家族の拡大 雇用保険の被保険者で一定要件を満たしている従業員は、対象家族を介護した際に介護休業を取得することができます。この対象となる家族が拡大されました。 改正前 改正後 1 配偶者、父母、子、配偶者の父母 2 同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 同居・扶養要件が撤廃され、今後は「田舎にいる兄のために介護休業を……」という場合も可能です。 改正内容2 介護休業の分割取得 従来まで介護休業は同一家族の同一傷病に関して「1つのまとまった期間」とされていました。それが今回の改正により通算93日間の間であれば同一傷病であっても3回の取得が可能となりました。 改正前 改正後 対象家族1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能 対象家族1人につき、...