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2024.07.11 社会保険ワンポイントコラム
医療機関にかかるときに使用する健康保険証は、本年(2024年)12月2日からは新規発行が行われない。同日以降はマイナンバーカードを健康保険証として利用する、通称「マイナ保険証」を基本とする仕組みに変わるからである。しかしながら、従来型の健康保険証が廃止されることには、不明な点も少なくない。そこで今回は、健康保険証の廃止とマイナンバーカードの健康保険証利用について、代表的な疑問点を整理してみよう。 マイナンバーカードが健康保険証になる「マイナ保険証」 「マイナンバーカードを健康保険証として利用する」。この仕組みは2021年3月に導入され、同年10月から本格運用が開始された。そしていよいよ、本年(2024年)12月2日以降は、従来型の健康保険証の新規発行が行われないこととなった。 マイナ保険証を利用する最大のメリットは、過去に行われた診療の情報や処方された薬の情報などが別の医療機関で確認できることであろう。より適切な医療行為が期待できるからである。 他にも「医療費が節約できる」「高額療養費制度を通常の手続きを経ずに利用できる」「医療費の領収証を保管しなくても、確定申告で医療費控除を...
2024.06.12 社会保険ワンポイントコラム
人は予測できないことに不安を感じる 人の心理として、予測できないことに不安を感じます。たとえば、転職してきた人が、会社のルールが分からず不安というのも、この予測可能性が低いことが原因です。 そして、不安を感じると、社員のモチベーションにも影響を与えます。これはみなさん経験的に分かるのではないでしょうか。そのため、予測できないことをできるだけ少なくしていくことが社員のモチベーション維持や向上に必要です。 就業規則の周知が予測可能性を高める 会社には就業規則をはじめ、慣習的なものや暗黙知のようなルールが存在します。このようなルールはできるだけ周知して社員の予測可能性を高めましょう。 特に、就業規則は法令で周知が必要とされています。よく言われる例え話の中に、「就業規則を社長の机の中や社内の金庫にしまっているのはNG」というのがありますが、実際に私が関わった会社でも本当にあった話です。 周知の方法は、「社内に掲示」、「書面で交付」、「データで共有」などがあります。会社の規模などにもよりますが、クラウド上にデータで保存しておくのがベターでしょう。これだとテレワークで働いている社員も常...
2024.05.15 社会保険ワンポイントコラム
春は入学や就職などで、たくさんの人が新生活を迎える季節です。新しい環境に早く慣れようと、はりきって頑張る人も多くいると思いますが、新生活開始から1ヵ月が経過する時期に増加する「五月病」に注意が必要です。 五月病にはどのような症状があるのか、また、どのように予防するべきかをみていきましょう。 五月病ってどんな病気? 気候が暖かく、貴重な大型連休があるため、毎年5月を心待ちにしている人は少なくないでしょう。しかし、楽しげなイメージと裏腹に、5月は体や心に不調をきたしやすい時期でもあります。この5月頃に多くみられる心と体の不調は、「五月病」と呼ばれます。 「五月病」という名称は、正式な病名ではなく俗称です。日本ではゴールデンウィーク明けの5月上旬の時期に、心身のバランスを崩す人が増加する傾向にあるため、この呼び方が定着したとされています。 五月病になると「やる気がでない」「不安になりやすい」「憂鬱な気分になる」「体がだるい」「食欲が低下する」「すぐに疲れる」「眠りが浅い」など、さまざまな症状が引き起こされます。 これらの症状は、風邪などのほかの要因でも見られるため、五月病だと...
2024.04.11 社会保険ワンポイントコラム
令和5年12月に閣議決定した「こども未来戦略」では、安心して子育てできる社会、こどもたちが笑顔で暮らせる社会の実現を目指し、現在そして将来に必要な施策を「3つの柱」で示しています。 1つ目の柱が、児童手当拡充などの方向性を示した「子育て世帯の家計を応援」。 2つ目の柱が、こども誰でも通園制度などの方向性を示した「すべてのこどもと子育てを応援」。 そして今回は3つ目の柱となる、社会保険・育児休業などの施策の方向性を示した「共働き・共育てを応援」を解説します。 こども未来戦略で掲げる「共働き・共育て」の将来的な施策とは? こども家庭庁「こども未来戦略ちらし~共働き・共育てを応援編~」では、次に示す(1)~(5)について「共働き・共育て」の施策の方向性を示しています。 なお、こども家庭庁ちらしの内容にある各施策の「開始年度」「法案提出」などについては、2024年2月1日時点の情報となりますので、ご了承ください。 (1)男性育休を当たり前に 子の出生直後の一定期間内に、両親がともに14日以上の育児休業を取得した場合には、最大28日間の給付率を現行の67%(手取りで8割相当)から ...
2024.04.09 社会保険ワンポイントコラム
2024年4月より労働条件明示事項に関するルールが変わり、「労働条件通知書」への必須記載事項が追加されます。雇用形態や企業規模、業界を問わずすべての事業所で、4月以降に雇用するすべての方が対象となるルール変更です。自社で用意している雛形のアップデートをはじめ、記載内容の検討等の対応が必須ですので、間違いなく対応できるよう変更内容を確認しておきましょう。 改正後の労働条件明示の概要 労働基準法第15条では、労働契約締結および更新時に、使用者が労働者へ労働条件を書面にて明示することを義務付けており、この書面を「労働条件通知書」と呼んでいます。明示する労働条件は労働基準法施行規則にて以下のように定められています。 必ず明示する事項 定めがある場合には明示する事項 ①労働契約の期間 ②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準 ③就業の場所及び従事すべき業務 ④始業及び就業の時刻、休憩時間、休日等 ⑤賃金、昇給 ⑥退職 ⑦退職手当 ⑧臨時に支払われる賃金、賞与及び最低賃金額等 ⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他 ⑩安全及び衛生 ⑪職業訓練 ⑫災害補償及び業務外の傷...
2024.03.20 社会保険ワンポイントコラム
もうすぐ4月。この時期になると必ず耳にするフレーズに、「4・5・6月の残業を減らすと社会保険料が少なくなる」というものがある。しかしながら、これは必ずしも事実とは言い切れない面があることをご存じだろうか。今回は「4・5・6月の残業を減らすと社会保険料が少なくなる」の意味を考察してみよう。 [template id="26982"] 春の「3カ月間の平均給与額」が1年間の社会保険料額を決める 厚生年金や健康保険の保険料額は、給与額に基づいて定められた標準報酬月額に保険料率を乗じて決定される。ただし、標準報酬月額は実際に支給されている給与額との差異が大きくなり過ぎないよう、年に1回、定時決定と呼ばれる見直し作業を行うことが義務付けられている。 定時決定では「4・5・6月に支給された給与の平均額」を基に新しい標準報酬月額を決定し、その年の9月から1年間は新しい標準報酬月額に基づいて社会保険料を計算することになる。そのため、「4・5・6月の残業を減らせば残業代が少なくなる分、支給される給与額も減り、1年間の社会保険料負担が減少する」と考えがちである。 しかしながら、「4・5・6月の残...
2024.03.18 社会保険ワンポイントコラム
職場のメンタルヘルス問題が大きく取り上げられるようになって10年以上たちますが、いぜんとしてメンタルヘルス問題による休職は大きな問題であり、労災申請、労災認定件数も年々増加の一方です。今回は職場でとるべき基本的なメンタルヘルス対策についてお話しします。 休職は発生する前から会社に損失を与えている 産業保健はILO(国際労働機関)とWHO(世界保健機関)により「すべての職業における労働者の身体的、精神的及び社会的健康を最高度に維持、増進させること、労働者のうちで労働条件に起因する健康からの逸脱を予防すること、雇用中の労働者を健康に不利な条件に起因する危険から保護すること、労働者の生理学的、心理学的能力に適合する職業環境に労働者を配置し、維持すること、以上を要約すれば作業を人に、また、人をその仕事に適合させること」を目的とするとされています(1995年)。 もちろん、これは理想論です。すべての社員にそれぞれの心理学的能力に適合した作業を配置することは無理で、職場や作業と本人の特性との不適合はある程度発生せざるを得ず、中にはメンタルヘルス不調を起こし休職する社員も現れま...
2024.02.20 社会保険ワンポイントコラム
本論に入る前に、正月早々の能登半島地震で被災された多くの皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。大切な人や物をなくされ、心痛はいかばかりかと拝察いたします。一日も早く、安寧な日常が戻ることをお祈りいたします。 人材のダイバーシティ(多様性)化という言葉を目にすることが多くなりました。しかも、極めてポジティブな意味合いにおいてです。例えば、「多様性のある組織は強い」「多様性はイノベーションを起こす」といった文脈で使われることが多いですね。もはやそれが常識と言わんばかりの勢いです。筆者の目には、自社の戦略を真剣に考えていない企業に限って、このような風潮に流されているように見えます。これらの企業では「私たちは多様性を重視している企業です」とアピールするようになり、逆に「〇〇社は多様性を軽んじている」という批判まですることもあります。果たしてそうなのでしょうか? 筆者も、企業経営コンサルタントの端くれとして、多くの企業の経営をサポートしてきました。しかし、「多様なバックボーンやスキルを持った人材を揃えることで、企業の競争力が高められた」という現実を目にしたことはありません。「多...
2024.02.14 社会保険ワンポイントコラム
ワーク・エンゲージメントとは 何となく聞いたことあるけど、どういう意味かよく分からない。そのような言葉の代表がワーク・エンゲージメントではないでしょうか。そもそもエンゲイジメントとは、一般的には「婚約」、「関与」、「約束」といった意味です。厚生労働省『労働経済の分析(令和元年版)』において、「働きがい」をもって働ける職場環境の実現への取り組みとして、ワーク・エンゲージメントという言葉が登場しています。その中では、ワーク・エンゲージメントとは、「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」と紹介されています。 ワーク・エンゲージメントが高い組織では ワーク・エンゲージメントが高いというのは、従業員の心理状態が仕事に対してポジティブで充実していることをいいます。つまり、ワーク・エンゲージメントの高い従業員は、仕事に誇りとやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て、「いきいき」としている状態にあるのです。この「いきいき」がポイントです。単に、心身が健康であるだけでなく働きがいを感じながら働いているのです。 このような従業員が多い会社では、愛社精神が高まる、生産性が向上する、離...
2024.01.26 社会保険ワンポイントコラム
厚生労働省の「企業の配偶者手当の在り方の検討」※1が注目されています。働く意欲のあるすべての人がその能力を十分に発揮できる社会にするためには、企業の賃金制度や手当の見直しを検討することが必要です。 さて、経営者はどのような従業員に賃金を支払いたいのでしょうか。例えば、「付加価値の高い仕事をしてくれる従業員には、より高い賃金を支払いたい」「能力がある従業員に賃金を支払いたい」「長時間仕事をしてくれる従業員に賃金を支払いたい」「住宅の賃貸(または持家)の従業員に賃金を支払いたい」「扶養家族がいる従業員に賃金を支払いたい」などがありますでしょうか。 例えば、「付加価値の高い仕事をしてくれる従業員」に手当を支給するとしたら、職務手当や特殊勤務手当、「能力がある従業員」であれば職能手当、「住宅の賃貸(または持家)の従業員」であれば住宅手当、「扶養家族がいる従業員」であれば家族手当や配偶者手当など、「長時間仕事をしてくれる従業員」は時間外手当などがあります。 その他にも、従業員の携帯電話を業務で使う場合は携帯電話手当や通信手当、車両を業務で使用する場合は車両手当、自宅を業務で使用する...
2024.01.24 社会保険ワンポイントコラム
「労働基準法施行規則」(以下「労基則」)及び「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(以下「雇止めに関する基準」)の改正に伴い、2024年4月1日より労働条件の明示事項等が変更されることになりました。4月以降に採用や契約更新が控えている場合、労働条件通知書を変更する必要があります。どのような対応が必要なのか確認しておきましょう。 1.労働条件の明示事項について 労働契約の締結時(有期労働契約の締結・更新時含む)には、労働基準法(以下「労基法」)第15条及び労基則第5条により、次表にあげる事項を明示しなければならないとされています。 昇給を除く絶対的明示事項については、原則書面で交付しなければなりません。労働者が希望した場合は、Eメール等で明示することも可能です。 労働条件の明示は、正社員やアルバイト等、従業員の雇用形態を問わず、すべての従業員が対象となりますが、パートタイム・有期雇用労働者については、パートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)において、「昇給の有無」「退職手当の有無」、「賞与の有無」、「相談窓口」に...
2023.12.15 社会保険ワンポイントコラム
働き方改革の一環として、「週休3日制」の用語を目にする機会が増えました。最近では自治体でも試験運用がされ、導入が検討されているほどです。Job総研の「2023年 週休3日制の意識調査」によれば、「週休3日制によって意欲が上がる」と回答した割合が88.5%だったほどに、労働者にとっても関心の大きい話題になりつつあります。 そこで今回は、週休3日制の実現方法や注意点・懸念点などを解説していきます。 週休3日制の実現方法① 1日の所定労働時間を長くする 休みを増やす代わりに、その分の労働時間を他の勤務日に乗せる方法です。この方法を導入するためには、1か月単位の変形労働時間制を導入します。本来、法定労働時間は1日8時間、週40時間と決められていますが、この制度を導入することで、週の「平均」労働時間が40時間になれば、1日の労働時間の上限を8時間超にできます。これを利用することで、週休3日制を実現できるのです。以下に例を挙げます。 週休2日 1日の所定労働時間8時間×週の労働日5日間=週の所定労働時間40時間 週休3日 1日の所定労働時間10時間×週の労働日4日間=週の所定労働時間40...
2023.12.02 社会保険ワンポイントコラム
例年11月に入ると、日本年金機構から『社会保険料(国民年金保険料)控除証明書』が発行される。この証明書は国民年金の書類だが、厚生年金に加入中でも届くことがある。そのため、従業員が社会保険事務担当者に「国民年金の控除証明書が届いていたが、どうしたらいいか」などと問い合わせることもあるようだ。そこで今回は、企業に勤務中でも国民年金の控除証明書が届くケース、年末調整終了後の証明書の利用方法などを整理してみよう。 国民年金の控除証明書は会社員にも届くことがある 国民年金保険料の控除証明書は、1年間に納めた国民年金の保険料額を公的に証明する書類である。令和5年度の場合は、令和5年1月1日から同年10月2日までの間に国民年金保険料を1カ月でも納付した実績がある人に対し、11月初旬に日本年金機構から送付されている。 そのため、現在は会社員であり厚生年金に加入中であっても、令和5年1月1日から同年10月2日までの間に以下に該当するケースなどでは、国民年金保険料の控除証明書が届くことになる。 令和5年1月1日から同年10月2日までの間に… 会社勤めをしていなかった期間がある。 過...
2023.11.22 社会保険ワンポイントコラム
産業医を選任しているのに、職場巡視、安全衛生委員会の会議への出席、健康診断の就業判定程度をさせているだけになっていませんか?だとすればもったいない限りです。今回は産業医を十分使いこなすためのお話をいたします。 まずは「質のいい」産業医の見分け方 産業医の力量はそれぞれ違います。産業医になるためには日本医師会が行っている講習を50時間受ける必要がありますが、これだけでは十分な知識を身に着けているとは言えません。日本医師会認定産業医以外に、労働衛生コンサルタントや日本産業衛生学会専門医を持っている産業医はある程度産業医業務に通じています。 もちろんこういった資格を持ってない優秀な産業医も多数いますが、産業医を選ぶ際の目安として有効です。私見では、安価な産業医紹介会社で頼める産業医には、知識・経験が不足している、中には病院勤務の合間のアルバイト感覚の医師も散見されます。また、産業医にとって最も重要な学会は日本産業衛生学会です。ここに所属している医師は正面から産業医学に取り組んでいると言えます。 産業医はこんなことにも役に立ちます 真面目に産業医学を勉強・実践している産業医を選んだら...
2023.10.09 社会保険ワンポイントコラム
近年、従業員の満足度や採用競争力を高めるために福利厚生制度を見直す企業も増えています。株式会社マイナビの「2024年卒大学生活動実態調査(4月)」によれば、学生の間で福利厚生に対する関心が高まっており、その中でも福利厚生メニューの種類と利用実績についての関心が高いことが分かります。 カフェテリアプランは、このようなニーズに応えることができる制度として、企業が導入を検討すべき福利厚生制度と言えます。 カフェテリアプランとは カフェテリアプランは、企業が従業員に一定額のポイントを付与し(例えば、1人当たり30,000ポイント(3万円相当額))、そのポイント内で福利厚生メニューを自由に選択し利用できる制度です。 導入する際のポイント (1)予算の確保 カフェテリアプランを導入するための予算をどうするか。カフェテリアプランは、1人あたりのポイント数(何円相当額)をいくらにするかを検討して予算を確保します。その際、既存の福利厚生制度の見直しと合わせて検討します。例えば、既存の制度として社宅や住宅補助があるものの、対象者が一部の者に偏っているならば、廃止してその予算をカフェテリアプランに...
2023.10.02 社会保険ワンポイントコラム
ある夕ご飯の席のことだった。 「ばあちゃん。この二、三日ご飯ばっかりでおかずがないね」 俺がそう言うと、ばあちゃんはアハハハハ…と笑いながら、 「明日はご飯もないよ」と答えた。 俺とばあちゃんは、顔を見合わせると、また大笑いした。 これは2001年に発刊されベストセラーとなり、映画化もされた島田洋七 さんの「佐賀のがばいばあちゃん」のプロローグの部分です。のっぴきならない状況なのに、何という「幸せ感」でしょうか。島田洋七さんは、続けて 俺は子供の頃、母方のばあちゃんに預けられていた。 ばあちゃんは、明治三十三年(1900年)生まれ。 二十世紀とともに人生を生きた、まさにひと昔前の世代だ。 昭和十七年(1942年)、戦中に夫を亡くし、以来、厳しい戦後を佐賀大学とその附属小・中学校の掃除婦をして、五女二男、合計七人の子供を育てて生き抜いてきた。 俺がばあちゃんに預けられたのは、昭和...
2023.09.18 社会保険ワンポイントコラム
令和4年10月から「産後パパ育休」制度が施行され、厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業の取得率はおよそ17%と、過去最高になったそうです。また、政府は、「産後パパ育休」制度を利用した場合でも実質的に手取り収入を確保できるよう給付金の水準を休業前の賃金の80%程度に引き上げる方向で最終調整しています。 国を挙げて男女ともに育児に積極的に参加する環境整備が進められていますが、男性の育児休業取得促進のために会社及び男性社員自身はどのような準備が必要なのでしょうか。 1.「産後パパ育休」とは? 「産後パパ育休」とは、正式には「出生時育児休業」といい、従来の「育児休業」とは別に、子どもが生まれたときに取得できる育児休業です。出産する女性以外の男性(※養子を迎える場合は女性も対象になります。)が、子の出生後8週間以内に、最長4週間(28日)まで取得することができます。 従来の育児休業との違いは次の図のとおりです。 産後パパ育休 育児休業制度 対象期間 取得可能日数 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能 原則子が1歳(最長2歳)...
2023.09.15 社会保険ワンポイントコラム
内閣府の「高齢化の推移と将来推計」によると、少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の8,716万人をピークに減少しており、2021年には7,450万人、2050年には5,275万人に減少すると見込まれています。生産年齢人口の減少により、労働力の不足の深刻化が懸念されています。※1 今までは、男性、正社員、終身雇用、場所や時間制約のない社員で構成されていましたが、これからは、雇用形態や働き方の異なる社員が増え、時間・場所に制約があり、従来なら辞めていた社員も働ける環境にしていかなければなりません。 そのためには、正社員、アルバイト社員、パートタイム社員という働き方だけではなく、「多様な働き方」を認める必要があります。多様な働き方には、例えば、以下のような契約があります。「正社員」の中には、今までのフルタイム正社員の他に限定正社員や短時間正社員などに分けられます。例えば、時間の制約があって週40時間働けなくても、正社員と同等の業務を任せることができる人材には、短時間正社員として勤務していただくということです。 フルタイム正社員 1週間...
2023.08.18 社会保険ワンポイントコラム
障害のある方への『合理的配慮』の提供は、「サービス」を提供する場面でなく、「雇用」する場面でも必要な考え方です。 今回は、「サービス」「雇用」それぞれにおける『合理的配慮』の内容を整理し、両方の視点を大事にすることで『合理的配慮』の提供に大切なポイントを解説します。 障害のある方への「サービス」 まずは「サービス」の視点からです。 こちらの基本となる法律は「障害者差別解消法」です。 「障害者差別解消法」では、主に次の3つのことが定められています。 1.不当な差別的取扱いの禁止 企業や店舗などの事業者や国・都道府県・市町村などの行政機関等が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。 2.合理的配慮の提供 障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられた時に、負担が重すぎない範囲で対応するとしています。 3.環境の整備 行政機関等や事業者に対して、個別の場面において、個々の障害者に対する合理的配慮が的確に行えるよう、事前の改善措置として施設のバリアフリー化などに努めることを求めていま...
2023.08.14 社会保険ワンポイントコラム
企業は従業員の健康確保のため、健康診断を従業員へ受診させることが義務付けられています。受診させるべき健康診断の種類や対象者選定、健康診断実施後の対応等、正しく運用できているでしょうか。 そこで今回は、「雇入時の健康診断」と「定期健康診断」実施時の基本のポイントを紹介します。 雇入時健康診断と定期健康診断 今回取り上げるのは「雇入時の健康診断」と「定期健康診断」ですが、実は、法律で義務付けられているものには下記のとおりの種類があります。まずは自社でどれが該当するかをチェックしておきましょう。 出典:厚生労働省 雇入時の健康診断 従業員を雇入れるときに義務付けられている健康診断です。時期は明確に定められていませんが、雇入れの直前あるいは直後とされています。なお、雇入れ3か月以内のものであれば、前職や自身で受けた健康診断の結果でも代用可能です。ただし、各健康診断には必須項目が定められています。雇入時健康診断の項目が網羅されているかの確認は必ず行いましょう。 定期健康診断 年に1回の実施が義務付けられている健康診断です。法律上は「1年以内ごとに1回」と定められているだけですの...